働き者のアリ、というイメージがあるが実際には一定の割合でろくに仕事をしないアリがいるという話は聞いたことがあった。
しかし、その理由については知らなかったので、きっとこの本が教えてくれるだろうと思って読んでみた。
結果から言うと、しっかりと説明してくれた。
なぜ働かないアリがいることに意味があるのか、そう疑問を持った人は是非読んで欲しい。
会社経営、組織運営にも活かせることがあるかもしれないとおもって期待して読んだが、今の僕には大漁とはいえないがいくつか得るものもあった。
1. 「短期的な効率を追求すると、目先の生産性は上がるが突発的なイベントが発生した時に生産性が落ちる。場合によっては致命的なことになる。持続できるゆとりも大事」
2. 集団になるとフリーライダーが発生するが、フリーライダーに集団を食いつぶされない仕組みはやっぱり必要。
3. 集団の構成員は多様性が大事。均質だと脆い。
4. グローバリズムは人間社会全体を同時に破滅に追い込む可能性大。
僕は会社経営、組織運営に活かせないかと思って読んだけど、理科が好きだった人なら楽しく読めると思う。
==目次==
序章 ヒトの社会、ムシの社会
第1章 7割のアリは休んでる
第2章 働かないアリはなぜ存在するのか?
第3章 なんで他人のために働くの?
第4章 自分がよければ
第5章 「群れ」か「個」か、それが問題だ
終章 その進化はなんのため?