孵卵器のために自作したサーモスタットの回路図


3号の夏休の自由研究「うずらの卵を人工孵化」(仮題)のために孵卵器を作成したが、温度管理のためにサーモスタットを自作した。
(経緯については前回の記事を見て欲しい)

完成図
自作サーモスタット

回路図
現在使用中の回路

完成図はセンサー部と基板の間を3芯シールド付きのケーブルでつないでいるが、このケーブルでは設定温度になってもオン状態の5Vまで電圧が上がらなくて困った。

対処として、被覆のあるワイヤを4本30cmくらい切り出してセンサー部と基板をつなぎ、制御信号を通すワイヤと設定温度を通すワイヤを離して運用している。なんとかこれで安定運用。

TC622EPA 納豆・モヤシ用温度コントローラーの製作

この人がTC622EPAの隣に温度設定用の抵抗を置いているのは意味があったんですな。
経験・知識がないとこれの意味がわからなくてセンサー部をシンプルにしたくてTC622EPAから離して基板においちゃって、苦労したわけ。

あとで計算してみると温度設定のための回路には50μA前後しか流れないはずで、きっとこれはかなり微弱電流。
TC622EPAから離しちゃいかんかったわけだ。

以上の反省から、以下の様な回路にすることを検討した。

問題を解消できるはずの回路図

多分、制御信号の部分はノイズには負けないとおもうけど、もうちょっと伸ばしたい場合はセンサー部にトランジスタで電流を十分流せるようにしないといけないかも。

今回はすでにサーモスタットが実運用に入ってしまっているので、改善策は採用してないが、自由研究が終わって落ち着いたら改良してみたい。

このサーモスタットにどれくらいお金がかかったか、興味がある方もあるだろうし、将来の自分のためにも部品とその金額もメモしておく

秋月電子
品名 個数 単価 金額 備考
1 トランジスタ2SC1815GR(20個) 1 100 100
2 黄色+緑色LED組立ブラケットセット(4セット入) 1 100 100
3 サーモスタットIC TC622EPA 1 120 120
4 ソリッド・ステート・リレー(SSR)キット 40A 1 500 500
5 丸ピンICソケット(8P) 1 25 25
6 両面スルホール・ガラス・ユニバーサル基板 72x47mm 1 100 100
7 多回転半固定ボリューム たて型 3296W(100kΩ) 1 80 80
8 (送料) 1 500 500
小計 1,525
沖縄電子
品名 個数 単価 金額 備考
1 3芯シールド付きマイクコード 1 120 120
2 中古プラグ付き電源コード 2 200 400
3 耐熱ワイヤー 2m 10色セット 1 570 570
4 コードコネクタボディ(電源プラグの受け側) 1 135 135
5 P型炭素皮膜抵抗1/4(100k,10kx2,20kx2,300×2) 7 10 70
6 (消費税) 65
小計 1,360
メイクマン
品名 個数 単価 金額 備考
1 ミニ管ヒューズ 1 210 210
2 中継用ヒューズホルダ 1 220 220
小計 430
ダイソウ
品名 個数 単価 金額 備考
1 ケース 1 105 105
小計 105
合計 3,420

合計3,420円ですか…
試行錯誤で追加したパーツが200円弱あったり、ガソリン代かかってたり…

ワイヤーキットで600円弱ってのが結構響いているわけですが、これ、普段電子回路作っているひとなら買わずにすんだはずで、それを除外したら2800円くらいですか。

まぁ、ちょっとお金かかったけど超久々の電子回路工作を楽しめた(苦しんだともいう)ので、このプロジェクトはやってよかったんだと思う。
それと、子供たちに電子回路を自作するという体験(ハンダ付け体験だったりして)ができたのもよかった。将来何かあった時に自分でやってみようなんて思ってくれたら嬉しいね。

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コメント

  1. […] それぞれ何で実現するか。 熱源: ひよこ電球20Wケース付き 器: りんごが入っていたらしい発泡スチロールの箱(縦48cm,横41cm,高さ26cm) 温度管理: 開口部のサイズを適宜管理して内部温度を調整するという手もあるがさすがにつらいので、サーモスタットを自作する […]

  2. sato_tedy より:

    こんにちは、孵卵器の作成の為に参考にさせて頂いております。
    必要な品目も詳しく掲載して頂いて大変助かりました。
    いくつか質問をさせてください。

    ・センサー部分の100kVR1は品目で言う所の多回転半固定ボリュームの事で間違いないでしょうか?(VRはバリスタの略・・・?)
    ・3芯シールド付きマイクコードはどこで使われる部品なのでしょうか?
    ・回路図のAC/DCは品目で言う所のどれに当たるのでしょうか?

    作成以前の稚拙な質問で申し訳ありませんが回答の程よろしくお願い致します。

  3. koj より:

    sato_tedyさん

    Q1. センサー部分の100kVR1は品目で言う所の多回転半固定ボリュームの事で間違いないでしょうか?(VRはバリスタの略・・・?)
    A1. 「多回転半固定ボリューム たて型 3296W(100kΩ)」です。VR=Variable Resistorのはずです。

    Q2. 3芯シールド付きマイクコードはどこで使われる部品なのでしょうか?
    A2. メインの基盤からセンサー部へつなぐためのコードです。5V, GND, OUT(Rev)の3つをつなぐので、シールド付きなら2芯でいけますね。3芯にしたのは、Tsetもつなぐつもりだったからです。結局、電流量が足りなくて泣く泣くVR1をセンサー部に移したので2芯でOKです。マイクコードである必要はありません。シールド付き2芯のケーブルを適当に買ってください。

    Q3. 回路図のAC/DCは品目で言う所のどれに当たるのでしょうか?
    A3. AC/DC変換器は友人からもらったやつを使ったので購入品目には含まれていません。5V出せるAC/DC変換器(例えば、小さめの家電の電源とか、スマートフォン用のUSBケーブルをつなぐタイプの電源とか)を適当に入手して使ってください。ちなみに、いわゆるガラケーといわれるタイプの携帯電話の充電器は充電状況に応じて出力を調整する回路が入っているようで使えませんでした。

    こんなかんじで回答になっているでしょうか。
    何か疑問点などあればコメント書いてくださいね。

  4. sato_tedy より:

    kojさん
    回答ありがとうございました。
    大変参考になりました。

    あと最後にセンサー部と基盤を分けてるみたいですが(画像でもその通りの作りみたいですが)一つの基板内で納めていない理由を教えて下さい(一つの基盤で納められたらシールド2芯のケーブルは不要だったりしませんでしょうか?)

    質問ばかりで申し訳ありません。
    回路図を見て物を作る事自体が今回初めてなので一から十まで参考にさせて頂きました。
    回路図と購入品そして画像を参考に色々調べながら頑張ってみます。

  5. koj より:

    sato_tedyさん

    コメントすっかり見落としてました。すみません。

    Q. センサー部を別基板にしたのはなぜか? 同一基板ならセンサー部へのケーブルが不要ではないか。

    A. 孵卵器の中に入れる部分を小さくしたかったから。卵達にできるだけ近く、でもじゃまにならないように。それと、サーモスタット回路の動作状況を示すLEDは孵卵器の外において、さっとチェックできるように。
    孵卵器が十分に大きくてサーモスタット回路全体を中に収容してもよければ、一体化しちゃうのもありかもしれませんね。

    初めてだといろいろ不安かと思いますが、失敗しても部品代はたいしたことないですし気楽に取り組むといいと思います。
    そうそう、ヒューズは必ず入れましょう。一度だけヒューズが飛んだことがありました。ヒューズ無しだったら燃えてたかもとおもうと怖いです。